フォロ・インペリアーレとは?歴史・意義・必見スポット
フォロ・インペリアーレ(皇帝の広場群)は、古代ローマの最も壮大な都市建設の成果のひとつです。紀元前54年から紀元後113年にかけて歴代皇帝によって次々と建設された記念広場群は、ローマ帝国の権力と栄光を体現する空間でした。各広場は前任者を凌ごうとする皇帝たちの政治的意志の表れであり、より大きな神殿、より精巧な柱廊、より壮観な彫刻群がそれぞれの個性を示しています。
今日、これらの広場は廃墟となっていますが、その規模と考古学的な発見は、最盛期のローマの姿を想像させる十分な迫力を持っています。ローマを訪れる多くの観光客がコロッセオだけを見て帰ってしまいますが、隣接するフォロ・インペリアーレとフォロ・ロマーノを合わせて見学することで、古代ローマの理解が格段に深まります。
主なフォロ・インペリアーレの紹介
カエサルの広場(Foro di Cesare)
紀元前54年にユリウス・カエサルが建設した最初の「帝国広場」です。ヴィーナス・ゲネトリクス神殿(Temple of Venus Genetrix)がその中心に置かれており、カエサルは自らの血統がヴィーナスにさかのぼると主張していました。現在は一部の柱廊のみが残っていますが、当時の広場の壮大さを伝えています。
アウグストゥスの広場(Foro di Augusto)
紀元前2年に完成したアウグストゥスの広場は、パルティア遠征の勝利と父カエサルの仇討ちを記念して建てられました。広場の中心には戦神マルス・ウルトル神殿(Temple of Mars Ultor)があり、現在も3本の高い柱が堂々と立っています。フォロ・インペリアーレを代表する視覚的シンボルのひとつです。
トラヤヌスの広場と市場(Foro di Traiano e Mercati di Traiano)
112〜113年に完成したトラヤヌスの広場は、帝国広場群の中で最大かつ最も壮麗なものです。ダマスカスのアポロドロスが設計したこの広場の中心に立つトラヤヌスの記念柱(Colonna Traiana)は高さ30メートルに達し、螺旋状の浮彫でダキア戦争(現在のルーマニア)の全貌を描写しています。古代世界に現存する最も完璧な歴史的叙事浮彫のひとつです。また、トラヤヌスの市場は多層構造のレンガ建築で、世界最古のショッピングセンターのひとつとも言われており、現在は独立した博物館として別途入場可能です。
ウェスパシアヌスとネルウァの広場
ウェスパシアヌスの広場(平和の広場とも呼ばれる)は紀元75年に建設され、エルサレム征服を記念するものでした。ネルウァの広場(「移行の広場」)は紀元97年に完成し、各広場群をつなぐ役割を果たしていました。
- カエサルの広場:世界初の統治者個人出資による公共広場
- アウグストゥスの広場:戦神マルスの神殿の3本の柱廊が今も残る
- トラヤヌスの広場:約5ヘクタールに及ぶ古代世界最大級の建設群
- トラヤヌスの市場:6階建て、約150店舗、世界最古のショッピングセンター
- トラヤヌスの記念柱:高さ30メートル、展開すると200メートルの浮彫